| 著 者:木内昇 | タイトル:占 |
初 版:2020-01-20 |
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| 出版社:新潮社 | 刷発行:2020-01-20 |
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この作家の小説を読むのは2度目で5年ぶりだ。その時は好印象の記憶があって、今回も期待して読んだ。題記の小説は明治が時代背景で、7つの短編集だ。連作短編ではないものの、いくつかの短編の中に同一人物が何人か登場する。いずれの短編も女性が主人公で、いろいろな悩み事の解決に占い師を頼っていくストーリ展開だ。女性心理をうまく捉えて表現してなかなかの筆舌に感心したが、今さら調べたら筆者(きうちのぼり)が女性であることを知って府に落ちた。7つの短編全てが占いごとをテーマにしているが、一つ一つが個性ある占いに帰着していて飽きることがなく、十二分に推敲された構成に感心した。文体のフィーリングも心地よく、冒頭抱いた期待を裏切ることなく面白く読めた。 |
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カテゴリー:短編小説 |
ブログ登録日:2021-05-07 |
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