著 者:青柳いづみこ
タイトル:ピアニストは指先で考える
初 版:2007-05-00
出版社:中央公論新社
刷発行:2007-05-00
図書館の音楽コーナーの棚を何気なく眺めていたところ、題記の本にでくわした。何とも、ショッキングなタイトルだ。指先で演じるならともかく、指先が司令塔の如く思考するとは...。本の中身はピアノの演奏法全般から著名な音楽家のエピメ[ドなぞなぞが面白おかしく書かれていて、ハマってしまった。ピアノ技術編の講釈は難しすぎておよそ理解できないが、何となく雰囲気が楽しめた。エピメ[ドの多くは著名な大ピアニストの知られざる逸話が満載されていて、実に面白い。本当は一向に計どらない自分のピアノに何かヒントはないかと借りた本だが、そんなことはどうでもよくなった。なにせ、次元がまるで違い、「天才ピアニスト、ポリーニはたいていの曲は1回弾けば覚えられて、超絶至難曲で有名なある曲はさすがに暗譜するまで3回弾く必要があったとか」 恐ろしい逸話が多い中、何となく共感が湧いたのが次のくだり... 「ピアノ演奏はスポーツに通じるところが多いが、スピード・スケートの清水宏保選手も『スピードは体験してみなければわからない』と言っている。例えば五百メートルの35秒台と34秒台では、まるで感触が違う、世界が違うという。」 いゃー、面白い本だった。
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カテゴリー:随筆
ブログ登録日:2015-03-21


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