著 者:曽野綾子
タイトル:人生の醍醐味
初 版:2017-06-25
出版社:産経新聞社
刷発行:2017-06-25
曽野綾子の本を読むのは多分、初めてのような気がする。疑心暗鬼なのはエッセイストとしても著作が多いので、雑誌か何かで過去に随筆をよく目にしたことがあったようにも思うからだ。掲題の本はエッセイ集として最近発刊されたが、2015年から2017年に産経新聞に連載されたものを集めたものだ。中身は日常の種々雑多なテーマを辛口に綴った随筆だ。筆者の思い描くのは「私たちは少しずつ世の中を知り、その中に馴染んで生かされる、それは強いて言えば人生の醍醐味だ」と位置付けている。従って、よしも悪しきも思うこと、感じることは醍醐味に通じるといった感覚のようだ。本の表題の解釈はともかく、本書では日常の出来事を作家の目を通して批評し、けれん味なく縦横無尽に書き連ねた感がする。言いたいことが逐一、ごもっともで、とても爽やかさを感じて気持ちが良いが、御歳86才でこれだけのことが書けることに驚くとともに畏敬の念を感じた。
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カテゴリー:随筆
ブログ登録日:2017-09-25


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