著 者:平野啓一郎
タイトル:ショパンを嗜む
初 版:2013-12-14
出版社:音楽之友社
刷発行:2013-12-14
芥川賞作家の題記の本を読んだ。この種の本で音楽関係ではない人が書いたものを読むのは久しい。ショパンについて、音楽専門家の視点からではない捉え方をしていて新鮮さを覚えた。中でも驚いたことを2つほど挙げると、まずショパンの時代の19世紀のパリでは浴室を備えた家はほとんどなく、風呂は出前の出張サービスが主流だったようだ。「お金持ちの間では、入浴の習慣が徐々に広まりつつあったが、それでも多くて月に一回、地方などでは一生に一度も風呂に入らない人がたくさんいた」と、風呂好きの日本人には信じられないことが記されていた。まあ、街に銭湯などがなければ、そうなるかも知れない。その点、日本は天国だ。 もう一つはショパンの最高傑作についてだった。筆者がプロアマを問わず多くのショパン・ファンに聞き、筆者を含めて最高傑作に「舟歌」を挙げる人が最も多かったのに驚いた。ブログ人の私に同じ問合わせがあれば、あれもこれもと、とても悩むところだが、少なくとも「舟歌」だけは選から外すことは間違いない。さて、皆さんなら最高傑作に何を選びますか。自身の回答はまた、いずれかの時までに決めたいと思っている。
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カテゴリー:評論
ブログ登録日:2014-07-31


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