著 者:柴崎友香
タイトル:春の庭
初 版:2014-07-28
出版社:文藝春秋
刷発行:2014-07-28
本年7月、第151回芥川賞を受賞した題記の本を読んだ。同じ時期の直木賞受賞作は発表日の前後に読んだが、芥川賞の方は図書館での入手が遅れて今になった。ストーリやその展開は至って地味でのめり込めるような本ではないが、ありきたりの人々の暮らしがみずみずしく描かれていて、このような感覚の文章でどのような結末にもって行くのか読中、静かな興奮を覚えた。最後は主人公が入れ替わり混沌の中に幕を綴じていて、消化不良ぎみのエンディングは読者の想像にお任せしている。謎かけのようで、前回芥川賞の「穴」に引き続き、最近の純文学に共通したスタイルのようにも思えた。
 ID【No. 53 】scroll 
カテゴリー:純文学小説
ブログ登録日:2014-10-14


©2016 - powered by azuminolike.net