ベルリオーズ「幻想交響曲」

20150206先日投稿した村上春樹の本で、題記の交響曲についての談義がかなりの頁を割いていました。小沢征爾もオーケストラを変えて指揮し、その時々のエピソードや出来栄えなどが書かれていました。私自身もこの「幻想交響曲」には思い入れがあります。写真は手持ちのCDで、シャルル・ミュンシュが4枚、バレンボイムのベルフィルが1枚で、かなり偏った収集です。私の音楽鑑賞は曲によって思い入れが様々で、この曲は学生時代に最初に聴いたミュンシュ、パリ管の衝撃があまりに大きく、今だトラウマのようになって他の演奏家を寄せ付けません。4枚のミュンシュはボストン響が1枚、パリ管の演奏時期が異なるものが2枚、そして究極の1枚が写真の中央に配したSACDで、1967年録音の原盤を音響リメークしたものです。ミュンシュの良さは作曲家、ベルリオーズのフランスを強く感じさせるエネルギッシュでスケールの大きいことです。他の多くの演奏家は大人しく紳士のような音楽で、とてもミュンシュの爆発するような、そして不協和音の暴れ馬のようなパリ管の音は出せません。と、一人気を吐き、オバはんの留守中にボリュームを上げ、じっくりと堪能しました。久しぶりの大興奮です。

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ベルリオーズ「幻想交響曲」 への2件のフィードバック

  1. highlandjin のコメント:

    ベルリオーズという作曲家は名前だけで、その音楽については全く知りませんでした。安曇野ライク氏の巧みな文章に釣られyout**で聞いてみました。素晴らしい音楽ではないですか。感動です。安曇野ライク氏のお蔭様で全く知らない世界を知ることが出来、人生が少し豊かになった気がします。

    • 安曇野の風 のコメント:

      おすそわけではありませんが、そう言っていただけると、とても嬉しく思います。この曲との出会いは大学オケの定演でこれを演奏することになった時でした。練習に明け暮れるサブコンダクターの友人が活き活きとしていたのをハタから見ていて、とても羨ましく思いました。第5楽章に出てくる鐘の音は物理学科の仲間が音響方程式を解いて、高圧ボンベを切り出して鐘を内作しました。あれもこれも懐かしく思い出します。音楽は音の世界以外にもいろいろな思い出や思い入れに連鎖し、悦びもひとしおと言ったところでしょうか。コメント、ありがとうございました。

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