原田マハの作品を初めて読んだ。きっかけはこの春、よく行く図書館の催しものでこの作家の講演会があり、申し込んだものの抽選漏れで機を逃したことがあって、この新刊本に興味を持った。原田マハの経歴をネットで見ると、作家に至るまでは学芸員やカルチャーライターなどの職歴があるようだ。本作では学芸員の経歴を活かした脚色で絵画、画廊、美術館などの世界を京都を舞台に描いている。このところ、「源氏物語」や「大原御幸」の呉服成金などで殿上人の物語を読んだが、この本でも庶民とはかけ離れた世界の話だった。ミステリーに相当するのは最後の一部で、たたみかけるような展開が取ってつけたようで、ちょっとご都合主義の感覚だ。全体を通してはドラマ、エンタメとして楽しむ作品だと思う。
Monthly photo – 2024.8
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