題記の本を読んだ。いつもの図書館で借りようとしたが、単行本では予約が殺到し順位が八十数番目なので諦め、このデビュー作が掲載された雑誌を予約して二十数番目の順番待ちをした。ところが、こちらも時間がかかり結局、昨日手にするまで二ヶ月以上待った。読み始めたところ思いのほか面白く、全70頁ほどを一気読みした。お笑いの世界で苦闘する芸人2人が悲哀のこもったやり取りを繰り広げながらストーリが展開する。読み進むうち筆者本人の舞台姿がダブり、その本人が崇拝する太宰治の厭世ぽさが作風に滲み出て、しっとりとした純文学にまとまった感がした。芥川賞を射止めた話題作だが、近年の受賞作の中では評価できる出来栄えと思っている。
Monthly photo – 2024.11
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話題の本ですね。どうも私は小説は苦手で、たいていの本は最初の2-3ページでギブアップしてしまいます。最近読んだのはDavid Robertsのシャンタラムで、これはオーストラリア人の主人公のインドのスラム、アフガンでの活動を生き生きと描いたものでインド人やアフガン人の生き様、考え方に関する記述が迫力を持って迫ってきて衝撃的でした。ムンバイの奴隷市場や移植用内臓提供病院などについてインド人が肯定的に捉えている、その論理等決して忘れることが出来ません。
ノンフィクションですが、人類学者、生物学者のJared Diamondの「銃、病原菌、鉄」と「文明の崩壊」は何故、スペイン帝国がインカ帝国を征服できたのか、何故インカ帝国がスペインを征服できなかったのかという根源的疑問を壮大な世界的スケールの分析と解析でその説得力は衝撃的で、入院中もこの本を繰り返し読み、入院生活で退屈することはありませんでした。
難しそうな本をお読みなのですね。小生は退職後はもっぱら日本の小説に偏っています。私自身、入院生活では Tom Crancy, “Clear and present danger” とMichael Crichton, ” Jurassic Park” をぞくぞくしながら読んだ記憶が蘇りました。コメント、ありがとうございました。