掲題の本は図書館予約で入手に3ヶ月以上かかった。1冊の本の中に7作品が収められ、しかも作者が全部異なっていて、共通項はSF小説だ。そして3番目の作品はSF漫画だった。現在、日本のSF小説界をリードする人達の短編集で個々の作品の冒頭には編者の解説が付くと言う、なかなか面白い企画の本だった。久しぶりにSF小説を読んで、背景となるサイエンスもだいぶ変わってきた感がした。何よりも昔はSFと言えば、科学の進歩をバックに夢のある楽しい読み物と捉えていたが、今回の作品はいずれも陰湿なイメージで暗さが目立った。短編ながら、中身が濃く非現実なSFの世界を理解しながら読み進むのに骨が折れた。あまり、老人向きの本ではなかったのが実感で、この先SFは敬遠しがちになりそうだ。
Monthly photo – 2024.8
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