軽井沢高原文庫 監修「ふるさと文学さんぽ長野」を読んで

20140302ローカル色豊かな題記の本をいつもの図書館で借りて読んだ。長野にゆかりのある文学者の信州にちなんだ作品をちりばめた本で、解説付の信州文学ダイジェスト版が如き雰囲気だった。島崎藤村ほか20余名の名だたる文化人の作品断片を6テーマ、「風景」「食」「山」「花と草木」「暮らし」「街道」別に編纂した総花的な内容だった。監修者より「信州の風土や文化を念頭に読者が信州の魅力や自然の厳しさを感じるように編纂した」とのあとがきがあり、今風ではなく明治・大正・昭和を色濃く感ずる信州の伝統なる趣となっている。中でブログ人が魅されたものは深田久弥の雨飾山紹介で、戦前戦後の苦節16年、3回目の登山でようやっと登頂できたことに感慨を覚えた。同作家の名著「日本百名山」で信州には29峰の百名山と、日本の3000m級の山23座のうち15座がこれまた信州にあるが、いずれの高峰も整備され登頂できるようになるまでの歴史を感じた。八方美人的な本だが、どうも読者の好みで印象エリアがだいぶ異なる気がする。

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軽井沢高原文庫 監修「ふるさと文学さんぽ長野」を読んで への2件のフィードバック

  1. highlandjin のコメント:

    一時、深田久弥に随分魅せられて熟読しました。「右の耳は君の耳、左の耳は僕の耳。。。」という雨飾山登山記も良かったですね。
    帰路は糸魚川の海岸で遊び、更に越後湯沢の高半旅館で疲れを取ったという記述を今も覚えています。
    彼はスキーも先駆者のひとりで、湯沢、八幡平、妙高とかリフトも何もない時代、馬橇に揺られて山麓まで行くなんて牧歌的な時代を良く記録しています。何だか又、彼の本を図書館ででも見つけて読んでみたくなりました。

    • 安曇野の風 のコメント:

      コメント、ありがとうございます。文学も自分の趣味やし好と合うと楽しいかぎりですね。今回は昨年登った雨飾山が出てきて、深田久弥が登山基地とした山田旅館もその温泉に下山後に浸った記憶が蘇り、とても親近感を覚えました。

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