中島京子、その後5冊を読んで

今日は4月の最終日、今月の読書は先月に引き続いて題記作家の以下の5冊を読んだ。

20140430『FUTON』
中島京子のデビュー作で、田山花袋の小説、「蒲団」を書き直して当時の古式豊かな恋愛ものと現代のハチャメチャな恋愛劇が交互に個別展開される長編もの。書評ではセンチメンタル&知的ユーモア溢れる秀作とあったが、私には通俗すぎて馴染めなかった。
『冠婚葬祭』
タイトルにちなんだ4つの独立した短編小説集。内容とは別に、恥ずかしながら、「冠」が成人式、「祭」が盆や法事などの祭礼を意味することを初めて知った。この小説では、「冠・婚」に相当する2編は面白かったが、残り2編は間延びして読むのが辛かった。
『平成大家族』
書評には、平成の社会問題を濃縮したシニカルな痛快小説とあったが、私には「破産家族、いじめ、ひきこもり、出戻り」が織りなすドタバタ劇は快い境地には至らなかった。
『均ちゃんの失踪』
キャッチフレーズに「一人の男を愛した女たちの物語、切なくも軽やかな恋愛小説」とあるが、まるで魅力のない中年の放浪者がモテるわけがない、と最後までそのストーリ設定が馴染めなかった。
『エルニーニョ』
逃げた先で出会った少年と、一緒に逃避しながら立ち直っていくお話。南国で児童と若い女性とのやり取りがほのぼのとして、灰谷健次郎を彷佛させるような小説で面白かった。

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