村上春樹の「1Q84」を遅ればせながら、読んだ。第1部(Book 1)と第2部(Book 2)が2009年5月30日、第3部(Book 3)が2010年4月16日に発売されたので、完結から早3年も経つ。まだ読んでいない人も考慮し、感想をネタばれしないよう簡単に記す。一言で、不思議な本だった。当初、ハードボイルドか、はたまた官能小説の様相だったのがファンタジー&推理小説のように展開した。そして異次元と現実の世界が交錯しながら謎がどんどん深まり、最後は現実に復帰しつつこれからも危険と対峙するところで幕となっている。作者の目指したテーマは何だったのか、戦後の学生運動、連合赤軍、オーム心理教事件を参考にある年(1Q84年)のカルトな世界を創造し、それに巻込まれる男女のラブストーリーを書いたと言えば月並みな表現か。読後に得たものは何かを思うと、いろいろと考えさせられる久方ぶりの長編小説だった。
安曇野に移住し、昨年4月から図書館通いして読書に努めることにした。今年3月までの1年間で46冊を読んだ。今月は今のところ、「1Q84」のみだが年間50冊を目標にしている。この投稿カテゴリーを読書としたが、当ホームページに読書のデータベースを作って移住後のmyライブラリーとして加える計画もしている。そうしないと、読んだそばからどんどん忘れてしまいそう...
村上春樹ですか? 我が家にも何冊か娘が買ったのが置いてありますが、パラパラとめくっただけでとても私のような凡人のロートルにはノーベル賞候補作家の感性がまるで理解不能で、諦めました。そういえば大江健三郎も読もうとはしたものの途中で挫折。結局一冊も読了していません。
私はもっぱら椎名誠程度です。
一時、ジェフリー アーチャーにも熱中しましたが、筋のしっかりした通俗小説で読みやすかったですね。
他にも読まれたものがあればコメントをブロッグしてください。
コメント、ありがとうございます。大江健三郎は私も苦手で小林秀雄と言い、理解しようと努めれば努めるほど睡魔に屈しました。村上春樹は読みにくいと言われる作家で、確かに情報量が多く(これを「素晴らしい筆力と贅沢な道具立て」と言う人もいます)もっと焦点を絞ってシンプルにした方が読みやすい感じはしますが、1Q84を読んで磁石のSN極が如く引き込まれて、飽きることはありませんでした。同じノーベル賞候補ですが、この1年の中で対立候補の受賞者、獏言「転生夢現」を読みました。奇想天外な発想の力作で、何度も生まれ変わり最後は豚になるなど面白く、全体を通して中国共産党発足後の50年の農民生活を垣間みたような気がします。私の元来好きな文学は、太宰治、梶井基次郎、萩原朔太郎などの暗く退廃的なものでしたが、この1年では通俗小説が増えました。前野田首相は大の藤沢周平ファンとのことで、私も興味を覚え、昨年来の読書の半数以上は彼の作品でした。どれをとっても面白くしばらくは他の作家が目に入らないほどハマります。もし初めてでしたら、まずは「秘太刀馬の骨」をお勧めします。時代劇に推理小説が加わったような味わいがあり、痛快でした。