阿部和重、伊坂幸太郎「キャプテンサンダーボルト」を読んで

当代人気作家の合作本を読んだ。二人とも東北が縁で意気投合し合作の企画を始めたのが東日本大震災、直前の頃のようだ。その後、震災ショックで共同執筆が危ぶまれたが、昨年末ようやく本巻刊行に至ったのだそうだ。私はこの二人の作家の作品を今までに読んだことがなく、作品中でどう分担されたのか分からないが、それぞれのファンには作品中の書きっぷりで、それがわかると言う。阿部の方は芥川賞を受賞した純文学系に対して伊坂は推理作家の範疇で、この作品はミステリーとなっている。文体はいかにも若い作家のタッチで、少し軽薄な印象を否めない。ミステリー特有の濃厚な謎解きはなく、どちらかというとバイオレンス的なアクションドラマを見る思いがした。さしずめ、「ちゃらおの大冒険」といった中身か..。

カテゴリー: 読書 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。