前回の読書で記した中島京子の「長いお別れ」を読み終えた頃、この作品と題記の本が中央公論文芸賞に同時受賞したことを新聞で知り、偶然か何かの縁にあやかって掲題の本を借りて読んだ。”広大で混沌としたインド”を舞台に、多彩なエッセンスを織り込んだ力作はスケールが大きく、読み応え充分だ。上下2巻で540頁のボリュームは長大だが、読み進むうちにぐいぐいと引き込まれハマってしまった。目まぐるしくストーリが展開し終結していくプロセスはハラドキもので面白く、エピローグではこれはどうなり、この先あれはどうなるだろうかの期待まで応えて、最後まで楽しませてくれた。著者の筆力の凄さに魅せられた作品だった。
Monthly photo – 2024.11
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