先日、美術館のバラ園に行きましたが、その後、我が家のバラも開花が進みました。今日は梅雨空で湿っぽい日でしたが、薄日も射してバラも元気そうでした。玄関先には白バラ、庭先には黄色と赤いバラが他の草花と咲き合っています。先日のバラ園ほどの見事さはありませんが、小さくその可憐さは自宅ならではの感がします。と言っても、育て方やその手入れは門外漢で、オーナーのカミさんには頭が上がりません。
我が家にもバラ
イチゴ&ジャム
NHK編「わたしの藤沢周平」を読んで
各界の「藤沢ファン」の熱い思いが詰まっている、と言う題記の本を読んだ。NHKで放映された題名番組を本にしたもので、藤沢周平の著書から30数タイトルについて39人の著名人が語ったものを編集している。たまたま図書館で目にし、1年半ほど前に半年かけて全集を読みあさった頃の思い出が蘇った。とは言うものの全部読んだはずの作品で個々に想い出すのは半数もなく、読んだそばから忘却してしまった自分のふがいなさを痛感した。著名人、各人のここぞとの思いがなかなか伝わってこない。ふーん、そんなもんか程度であり、自分のお気に入りの中から印象深い三タイトルに付き一言を下記するが、これとてそんなもんかと思われるに相違ない。とちょっと、後ろ向きな投稿で恐縮です。
・「用心棒日月抄」四部作に連なる痛快活劇は読み出したら、もう止まらない
・「秘太刀馬の骨」剣術と推理小説が融合して身震いするほどの、わくわく感
・「海鳴り」罪を犯す主人公に我が身も乗移りスリリングな展開に、最後までしびれる
満願寺つつじ公園
ばら、バラ、薔薇
ピアノの調律で...
本日、安曇野に引っ越して3度目のピアノ調律をしました。1昨年からピアノを我流で始めて2年が経過します。昨年の今時分は調律してもらっても、前後の違いはあまり分かりませんでした。今回は、一部のキーが不調で前もって調整をお願いしました。黒鍵の一つが濁った音色になったのと高音部の一部がキーのかすれ音が出て、弾いていて気分が良くなかったのですが、調律で目出たく直りました。従来、ピアノは老朽化が進むのだろうと思っていたのですが、昨年末に読んだ本ではどうして古いピアノも長く使い込めることを知りました。手入れが何より大事なのだそうです。わがピアノは20数年選手で、実は一番脂が乗っているのかも知れません。とは言え、ブログ人自身はひよっこの初心者で、まだまだピアノが弾ける領域にはほど遠いようです。まあ、本日の調律後は何となくキーの感触もよくなった気がして、同じピアノなのに新鮮な感覚がしています。
夏山前に...
ここしばらく山歩きを見合わせていました。古くから左ひざに持病を抱えていて、下山中に時として痛むことがあり、5月半ばに思い切って整形外科に見てもらいました。最初のX線透過では分からず、MRIで診断したところ膝の関節包の中にある滑膜が一部肥大化していて、これが運動中に支障し炎症を起こすとのことでした。取りあえず患部に注射して様子をみようということで、週末土曜日に近くの光城山/長峰山コースを2往復してみました。結果は応急処置の甲斐がなく、最後の下りは例の症状が出ました。本日の診断で治療には手術処置もあるようですが、術後のリハビリなどでシーズンは棒に振るのと治る保証はないとのこと。また、ストレッチや鍛錬で克服できるものでもないと念押しされました。まあ、今シーズンも無理をしない程度に山歩きすることにしました。北アルプスのお膝元に引越し、名峰制覇を心待ちにしていたのですが、どーも思い通りにはいかないようです。昨年のカミさんの半月板手術と言い、わがロートル組は夏山に向けて自重のシーズン明けです。
週末はコンサート
きのう今日とコンサートに出かけました。久しぶりの生演奏です。
昨日は安曇野市の豊科で開催されたコンサートでフランクフルト放送響メンバーによる演奏はモーツァルトのアイネクライネとデベロップメント他、馴染み曲でした。さすが一流どこ、見事なハーモニーでした。超満員の盛況で、余興では各自のインタビューがあり、今年リタイアするヴァイオリニストの今後の抱負が趣味に没頭するとのこと、そしてその趣味がヴァイオリンと聞いて、何とも一途な人生に思わず身震いしました。
本日は地元合唱団主催のバッハ「マタイ受難曲」でした。3時間を越えるフルバージョンを初めて聴きました。CDとは違った大迫力で時間の経つのを忘れて大満足でした。アマ合唱団の1年の成果がプロの独唱ソリスト及び楽団と調和して何とも素晴らしい演奏会でした。開場前に並んでいた時は、多くの田舎のご老人はこの難曲が解るのかなあ、などと思っていましたが、演奏が終わると、誰しもが大喝采しているのが印象的でした。信州の音楽熱はハンパじゃない!
山崎豊子「約束の海」高橋克彦「ジャーニー・ボーイ」を読んで
図書館の新刊コーナーで題記2冊を借りて、読んだ。
「約束の海」は山崎豊子の最期の作品として話題を呼んだ。3部構成の第1部が完成したが、後続の2部、3部はその構想をスタッフが20頁ほどの紹介文に纏めている。同作家で著名な「白い巨搭」では医学を、「華麗なる一族」は金融をテーマにしたが、今回は戦争と平和について作家生活の最後をくくる大作だったようで、期半ばに未完で終わったのが悔やまれる。第1部は序章で、自衛艦と遊漁船との衝突が描かれ、実際にあった横須賀港沖の海難事故を取材し、これをもとにした人間ドラマとなっている。以前に住んでいた市で起った事故でもあり、興味深く読めた。また、事故当日に予定されていた花火大会が中止となり、去りし日の思い出が交錯した。
「ジャーニー・ボーイ」は初めて読む作家の作品で、著者歴からして推理小説の類いかと想像した。題名のイメージとも異なり、内容は明治初頭の北関東/東北を舞台に英国婦人の画する日本紀行の取材を案内人側から描いたもので、「東海道中膝栗毛」が如くのドタバタ劇に推理小説を持ちこんだような構成となっている。チャンバラ活劇が藤沢周平を彷佛させて、楽しく読めた。
外岡秀俊「北帰行」を読んで
前回の読書「カノン」に関連して、題記の本を読んだ。1976年、同一作家が大学四年生の時に書したデビュー作で当時、文芸賞を取って話題となった「北帰行」だ。ボリュームはさほどないが、難しい文体と読むのに不慣れな漢字使いに手こずり読了には1週間を要した。北海道から集団就職した青年が挫折し、帰郷途上に心の支えにしてきた歌人「石川啄木」の足跡を旅して過去と現実を交錯させながら苦悩する青春物語。全体を通してもの暗く、荒涼とした雰囲気の中で、啄木の自伝めいた解説が最後まで続く。最終章で友人からの手紙のやり取りが山場で決して後ろ向きではない力強い結末に至るのが救いだ。読破するには大変だが、素晴らしい作品だった。石川啄木は私の好きな歌人で、今迄に本人の作品や後世の人が書した評論を幾多読んだが、この本の醸し出す啄木像には衝撃を覚えた。啄木がよく研究され、きっと真摯に捉えたものなのだろう。物語には無関係だが、作品中にあった啄木の歌の中から..、
「ふるさとの山に向かいて 言うことなし ふるさとの山はありがたきかな」
「ふるさとの訛なつかし 停車場の人ごみの中に そを聴きにゆく」