著 者:長野県豊科高校編
タイトル:有明山に日かげさし
初 版:2013-02-00
出版社:長野県立豊科高
刷発行:2013-02-00
よく行く図書館では「上原良司」の常設コーナーがある。この本も常設コーナーから借りて読んだ。このドキュメンタリーを通じて、父母・家族、そして恋人への深い愛情や思いやりがほとばしっていることを痛感した。この人間味ある思いやりこそが、上原良司が他人には託せず特攻志願の行為に至ったことを思うと、何ともやりきれない。当時の世相も苦渋の想いをしながらも、これを黙認した。戦争とは狂気であり、どこかで歯車が狂った所産だ。政治も世相も教育も一丸となって狂った方向に向かっていく。昨夏に読んだ「ナチスの知識人部隊」で、少年時代の教育がトラウマとなって、自民族の偏重と敵への恐怖感が募って、他民族の大量虐殺に至った様相を肌で感じた。今は民主主義の平和な時代とも言われるが、教育や民意の歯車が一歩狂えば、悲劇は再び起こりえることを示唆している。恒久の平和を念じ、読後感想を閉じる。
 ID【No. 7 】scroll 
カテゴリー:ドキュメンタリー
ブログ登録日:2013-07-06


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