古代と現代の謎を絡ませながらストーリー展開する古墳にまつわるミステリー小説だった。古代の方は実在する人物を交えたフィクションで、なるほどそう言う見方もあるのかと興味をそそられたが、現代の方は緊迫感もなく少し白けた内容だった。昨日のフォーサイスのミステリーのようなテンポの早さと登場人物の惹きつけるキャラもなく、冷めたピザのように味が乏しかった。古代の謎を現代の考古学者が謎解きするというテーマに絞り込んだ方が話に一貫性があって面白いと思うのだが、この本では現在の民族トラブルなども持ち込んで色々と複雑に絡み合わせて発散させてしまった感が否めない。今回で掲題の作家の作品を3冊読んだが、相変わらず消化不良ぎみで私好みの作家ではないことを再認識した。
Monthly photo – 2024.11
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