湊かなえの小説を初めて読んだ。うちのオバはんがよく好んで読む作家で、図書館予約して丁度読み終えた本だと言うので、私もどんなものか読んでみた。どうやら推理小説では当代の人気作家のようだ。実際に読んでみると、簡易な文章はあれこれ考えずに読めるのだが、作風は口語体の言いっぱなし調でとても馴染めなかった。文体がチャラオのヤング言葉風になっているのも気になった。女流作家特有な言い回しなのか、或いはこの作家の個性なのかとてもクセのある文章に加えて、どうでもよさそうな話に四散してまとまりがなく、もっと簡素化し研ぎ澄ました方が良いのではないかと思った。ストーリはよく練った面白い構成だが、書きぶりが脚本家のように口語主体にしている反面、ストーリ展開が脚本のようなテンポがなくて間延びしていて中途半端だ。口頭セリフの余分なシーンや冗長な部分をカットし、逆に小説本来の心理描写をもっと盛り込めば、私好みになるのにと残念に思った。他の作品も読んでみるか悩ましく、微妙な作家だ。なお、この本は最近テレビドラマ化され最後の結末が小説と異なったことで物議を醸し出した、とオバはんから聞いた。
Monthly photo – 2024.11
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