佐藤愛子「九十歳。何がめでたい」を読んで

題記の本は昨年8月刊行だが、年間ベストセラーとして今だ人気が衰えず、図書館の予約も殺到していて読むのを暫く見合わせていた。でも、話題と反響は凄まじく、思い切って図書館予約し1ヶ月半の待ちで借りられた。週刊誌の隔週で掲載された1年間のエッセイを加筆修正した作品で、およそ1日で読めるボリュームだった。毒舌爽やかで嫌味がなく痛快に読めた。90歳を超えて著したエッセイ内容は老化が中心に綴られているが、どうして日々の出来事や社会問題などに鋭くコメントする文章の力強さと説得力に年齢の老いは微塵も感じられなかった。古きよき時代を彷彿させ、肝っ玉かあさんのような芯が太く何事も前向きに取り組む姿勢は大いに励まされた。老齢化でどうにもならなくなる自身の生態を綴っていても、むしろコミカルに開き直った生き様が何とも頼もしい。凄い、の一言。

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