「特捜部Q」シリーズの第2作目を読んだ。前作の話も所々顔を出し、シリーズ物として奥行き感が出てきた。今回挑む未解決事案は二十年前の連続暴行致死事件、その中心人物は女性で強い女性が物語の中心となるのは1作目と同じだった。犯行の残忍さと、それを追う捜査陣のコミカルさのギャップが何ともこのシリーズの魅力となっている。今回は特捜部に新人女性が加わって3人となり、新人らしからぬ異彩さを放ってドタバタがさらに加速し、事件解決のスピード感も増した。今回で本ミステリー・シリーズを2作読んだが、共通しているのは犯人が最初から分かっていて、特捜部がパズル解きをしながら次第に犯人に迫るのだが、最後がスマートに終局せずに犯人の逆襲に遭って負傷し、弱い警察官を露呈している。ダーティハリーやダイハードのような強靭さはどこにもない。特捜部そのものも数名の弱体組織であり、その中で極めて個性の強い者同士がコミカルに演ずる様がシリーズ最大の売りなのだろう。しばらくこのシリーズにハマりそうだ。
Monthly photo – 2024.11
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