シリーズ、第3作目を読んだ。前作までの2作品は昨年末にそれぞれ、ぐいぐいと惹き込まれながら一気に読み終えたが、今回はページ数も570pを越す長編で少し持て余した。海に投じたボトルのメールに込められた必死の願いを読み解かし、ジリジリと犯人に近づいていく課程が亀の歩みのごとく冗長として前作までのスピード感がなかった。まあその分、ラストのスパートは見事で最後には納得した。何せ、本作はシリーズの最高傑作で北欧を代表するミステリー賞の「ガラスの鍵」賞に輝く!と裏表紙の解説にあった。それにしても残忍な犯行が毎回、形を変えて登場しこれでもかと言う凄惨さだ。この舞台がデンマークなのがとてもアンマッチな感がする。デンマークと言えば北欧の福祉国家で、「世界で一番幸福な国民」の筆頭とされている人気の国だ。今までデンマークの地理には疎く、国の形がどうで人口はどのくらいか、など考えたこともなかったが、本シリーズを読み進むうちに興味が湧きgoogleなどで調べたりもした。人口は約570万、総面積は九州ほどで、島&半島の典型的な入り組んだ地形をしていてフィヨルドもあることを知った。本作では背景に宗教が絡んでいて地理のほか、文化についてもよく知らないと北欧ミステリーの本質的な理解が得られないのではないか、とふと思った。
Monthly photo – 2024.11
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