講談社の月刊文芸誌「群像」9月号に掲載された題記の小説を読んだ。前回投稿した読書カテゴリーの延長で、本作品も明後日、1/16発表の芥川賞の候補作だ。160枚の中編は雑誌にして上下段の50頁に相当し、ほぼ1日で読む量だった。感想を一言で言うと、退屈な本だ。主人公が学生時代に過ごしたアパートの大家さんの訃報に接し、過去にアパートの住人と共々過ごした日々の出来事を回想したもので、ドラマの盛り上がりに乏しく、ほのぼのとした純文学のしっとりさも感じられない内容だった。以前に読んだ「芥川賞の偏差値」と言う本で、賞を射止めるのは『いかにもうまいという風に書いて、かつ退屈であること』が重要としていて、本作は退屈さだけはいい線をいっていると思った。本著者は過去にも芥川賞候補にノミネートされたこともあったようだが、今回はどうなることやら..。
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