宮部みゆき「この世の春」を読んで

宮部みゆきの最新作を読んだ。と言っても発刊は昨年2017年8月で、図書館の蔵書となった10月に予約を入れて順番待ちし、この3月になってようやく読めた。推理小説作家の大御所、宮部みゆきの本作は以前の「荒神」と似たファンタジー小説だった。前半部分は、謎を抱えた人物が入れ替わり立ち替わりテンポよく登場して、どっぷりと「宮部みゆきワールド」に浸かってワクワク感を持って読めた。が反面、下巻に入るや物語の時間が急に止まったような感じとなり、途中からは冗長な部分ばかりが目に止まった。以前から宮部みゆきの多くの作品に魅了され楽しく読んできたが、少し変わってきた感じがする。そう言えば、前作の「三鬼」は読破できずに途中放棄した記憶が蘇った。こんな感想を持つようになったのは自分だけだろうか、とふと気になった。

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