ユッシ・エーズラ・オールスン「特捜部Q 自撮りする女たち」を読んで

掲題の「特捜部Qシリーズ」最新作を読んだ。シリーズの7作目だが、実は第6作を飛ばして読んだので、私としてはシリーズの6作品を読んだことになる。最新作が図書館の新刊コーナーにあったので思わず借りて前作をパスした。いつもなら、1作ごとの完結編で事件は終わる。ところが、今回は捜査陣の様子が前作からの延長線にあって、前作を読まなかったことを途中から悔やむことになった。まあ、事件の方は従来と同じ完結スタイルだったので不満はないが、捜査陣の紅1点の秘められた素性が前作からの流れで解き明かされたシナリオだった。この辺りはこれから前作を読んでフォローしたいと思っている。今回の事件の背景には福祉国家デンマークの手厚い失業者支援が絡んでいる。教育・医療・介護が無料の福祉大国、デンマークで一見平和で豊かに思われるのに、内情は複雑でいろんな問題や葛藤が浮き彫りにされている。いつもながら、ズッコケ漫談でエンタメサービス満点ながら、ベースには社会派テーマを強く感じる内容だった。

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