ユッシ・エーズラ・オールスン「特捜部Q 吊された少女」を読んで

このところ読書に集中できずペースが上がらずにグズグズと読み過ごし、この1冊を読むのに1ヶ月あまり要した。さすがに最後の100ページくらいになって盛り上がったが、そこまでたどり着くのに往生した。シリーズの中では読むのが一番しんどかった感じだ。本シリーズは カルト集団をモチーフにし、精神世界やヒーリング療法の中で展開する愛憎劇が事件となっている。時系列がぐるぐると変わり、いつもと似たパターンの展開だったが、今回は見事な真相解明で苦しむ人々を救い出す、と言うのではなく、重苦しい結末で、読後の爽快感はなかった。本シリーズ、最新版までに至る7巻を昨年末から一通り読んだが、のめり込むほどの圧倒的な魅力はないまでもこれから先、新刊が出ればまず直ぐ読みたくなると言った感じだろう。エンタメ的な内容ながら、各巻で社会的なテーマを掘り下げ、デンマーク特有の地理を随所にちりばめていて飽きない本だ。何ぶん、デンマークの本だが、ドイツ、デンマーク、スウェーデンが所狭しと隣接した地域が舞台で、地形も毎回、地図を念頭に楽しんでいる。

安曇野の風 について

安曇野に巣くう極楽トンボ
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