窪島誠一郎「信濃デッサン館日記」を読んで

今日は安曇野中央図書館で、掲題の作家の講演会があった。「本を読むこと、絵を観ること」と題した講演には多くの人が聴講を希望したため、事前に申請して抽選によってふるいがかけられた。私は運良く当選し、今日の聴講を聴きことができた。満員の会場で、1時間半の講演はユーモア溢れる話の中にも彼の人生そのものの想いが込められていてとても充実した内容だった。題記の本はこの講演の予備知識として事前に読んだもので、上田市にオープンした信濃デッサン館の建設にまつわる日記がエッセイ風にまとめられていた。デッサン館そのものは1979年(昭和54年)に筆者によって設立されたが、39年の月日を経て本年(2018年)3月15日に閉館となったようだ。大正、昭和の初期に活躍した夭折画家、村山槐多、関根正二らの絵を筆者が収集して上田市塩田平の丘に美術館を建設する幾多の苦労が人々との深い交情の中で描かれていて、本日の講演共々感動する内容だった。

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