当代の人気作家のようで、昨年5月に発刊されたこの本は前回の直木賞候補でもあり話題作だ。図書館の予約が殺到し、昨年夏場に予約を入れてようやくこの年末年始に読むことができた。しかし待ちに待った分、期待外れも大きかった。出だしは未来から自分が書いた手紙がきてこの先どう展開するのか楽しみだったが、読み進むうちに未来とはかけ離れた暗い過去にどんどん引き込まれてへきれきとした。本文と3つのエピソードがセットになった凝ったストーリーだが、イジメやらDVやら今問題のてんこ盛りで、予想外な展開は読者を翻弄させるだけで奇をてらった何物でもなかったように感じた。湊かなえの小説を読むのは今回が2作目だが、前回読んだ作(リバース)でも消化不良とあまりいい印象がない。
Monthly photo – 2024.8
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