ビートたけし「フランス座」を読んで

前回読んだビートたけしの本に続き掲題の最新作があるのを知って、借りて読んだ。たけしの下積み時代の自伝小説だが、巻末に「この物語は、筆者が経験した事実に基づくフィクションです」とあった。登場するのは実在人物で、どこまでが事実でどこからフィクションなのか釈然とせず気になった。売れない芸人のハチャメチャな生活の連続が描かれているが、それでもたけしの生き様の中に今とは違った輝いていた時代なのを感じた。自分のサクセスストーリーを描くのではなく、芸に悩み芸にひたすら打ち込む姿に好感が持てた。笑いと切なさと品のなさ、たけしならではの小説だ。

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