この本は図書館に予約したのが4ヶ月前の3月でこの夏場になってようやく順番が廻ってきた。予約が殺到した理由はよくわからず、本書が読売文学賞小説賞を受賞したせいとも思えない。実際に読んでみて、さほど面白い小説とも思えなかった。弁護士の主人公が回想録風に描いた探偵小説もどきだが、物語が単刀直入に推移せず、事件とは関係ない話で脱線することが多く小気味よいテンポには最後まで乗れなかった。その分、構成が複雑で凝った割には主張が散逸した感じだ。筆者の履歴を見たところ芥川賞受賞作家のようだが、あまり馴染めない作風で借りるまで待った割に期待はずれだった。自分の読書録を見たところ、この作家の作品を過去に1冊読んだことがあったが、記憶喪失していて思い出すのに往生した。
Monthly photo – 2024.8
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