巻頭に「実在の人物や雑誌などから着想を得ましたが、本書はフィクションです」とあった。本作品は今年7月の直木賞候補作で、筆者自身は2回目のノミネートだ。東京オリンピック開催に沸き立ち高度経済成長を遂げた1960年代、出版社で出会った3人の女性の人生模様を描いている。二人はイラストレータやライターとして一世を風靡したウーマンリブのはしりで、残る一人は一般のOLだ。それぞれの人生を必死に生きた様が描かれ、時の人となった二人は不遇な最期を遂げている。昭和から平成へと変わっていく時代背景とともに、切なくも懸命に生き抜いていく姿勢に共感を覚えた。本書の題材となった雑誌の創刊当時を思い起こし、以下に添付してみた。
Monthly photo – 2024.8
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