図書館が窓口業務のみに縮小される前に借りた題記の本を読んだ。新刊コーナーにあった一冊だが、読後に調べると対象は児童向け文学でKZの名でシリーズ化された本だ。著者は私と同年代で、著作は古今東西の歴史小説まで多岐にわたり、最近ではヤングアダルト小説を多く手掛けている。初めて読む作家だが、シリーズ物の雰囲気が多分に出ていて、事件とは直接結びつかない主人公の素性が詳細に触れられたり脱線したりして、ストーリ展開が間延びした感じだ。ジャンルはミステリーだが、家族とその関係者の身の上話に終始して推理を働かせるような雰囲気になかった。出来過ぎ君として登場する主人公にしては明晰な推理や行動力で突破していくような凄みはなく、終盤の盛り上がりにも欠けた感じがした。文調もヤング向けで、読むのに一苦労した割には見返りも少なかった。
Monthly photo – 2024.11
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