宮部みゆきの題記の本を読んだ。「三島屋変調百物語」シリーズの第6巻目だが、本シリーズは読むのは初めてだ。以前にこのシリーズの「三鬼」なるものを読み始めて、馴染めずに途中放棄した記憶がある。今回も似た経過を辿るか気になったが、何とか読み終えた。この百物語とは江戸時代に実際にあった一種の娯楽のようで、夜を徹して怪談話を語り合うと言うものらしい。本シリーズでは聞き手、話し手が一対一で、「語って語り捨て、聞いて聞き捨て」と言う秘め事にすることを習わしとしている。第6巻まで続いていて、各巻とも4〜5話の怪談話となっているが、この第6巻からは聞き手が三島屋の姪っ子から三男坊に変わった。筆者はストーリテーラーの第一人者らしく、怪談話を変幻自在に描いて大いにその多才ぶりが如実に伝わってくるが、どうも超現実のオンパレードには私自身としてはついていけない。創作ものでもやはりドキュメンタリータッチや推理もの、伝記ものでも史実とあまりかけ離れないストーリの方が自分には合っていることを本書を通じて思い知った感がする。
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