ミステリー作家で注目を浴びる米澤穂信の最新作を読んだ。無人化した僻地の再生としてIターン事業に取り組む市職員の活動劇で、いろいろと楽しめた。構成を調べると、7章立ての内の4つが以前の雑誌投稿からであり、残りを書き下ろしで単行本化している。初出は2010年なので10年にも及ぼうとしているが、登場人物やストーリーは一貫した流れがある。とてもミステリーとは思えない若手、中堅の漫談コンビとズボラ上司の掛け合いはコメディタッチで軽快だ。ネタバレになるのでこれ以上の感想は控えるが、悲喜こもごも最終章の纏めまで一気読みする魔力に富んだ1冊だった。
Monthly photo – 2024.8
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