先月発表のあった題記の芥川賞受賞作を読んだ。本のキャッチコピーに「28歳の鬼才が放つ、新時代の虚無」とあったが、何が鬼才で何が新時代の虚無なのか理解に苦しむ作品だった。文章の瑞々しさもなければ、主人公の内面描写も希薄でとても感情移入して主人公に寄り添うこともできなかった。その場その場で無関係の人が入り込んできて話が脱線し、ストーリー展開を単に間延びさせるだけでとてもついていけなかった。退廃した官能小説のたぐいで、受賞作でなかったら即座に放棄する内容だった。何が受賞の決め手になったのか探る思いで読み終えたが、何を推し量ってもその解はなかった。
Monthly photo – 2024.11
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