今般の直木賞候補作の一つである題記の本を読んだ。短編ミステリー集で、5話からなる。ミステリーとは言え、スリルや謎解きはなくどれもよくありそうな日常的な話がちょっとしたオチで終結する感じだ。初めて読む作家でペンネームが央(よう)とあり、男女どちらかわからないまま読み始めたが、冒頭から女流作家の雰囲気が漂っていた。女性ならではのきめの細やかさや心理描写があるものの、おとなしい作風はダイナミズムにかけるようで、直木賞候補としては期待外れの感がした。男女差などを前面にして述べると、どこぞの辞任した組織トップと同類項扱いにされかねないので、感想はここまでとしたい。