池井戸潤「下町ロケット ゴースト」を読んで

下町ロケットのシリーズ物でガウディ計画に次ぐ3作目、掲題の「ゴースト」を読んだ。前作は医療関係のストーリー展開だったが、今回は農業。シリーズの最初がロケット、次が医療関係で今度は農業と様変わりするが、主人公は通して同一人物の中小企業の社長だ。関連した繋がりは機械部品のバルブで、前作でのバルブは心臓弁だった。世の中の多岐にわたる構造物でその中心を担うバルブの開発は熾烈で、競合他社や大企業との摩擦そして軋轢はシリーズに共通している。池井戸小説の王道でこれまた共通しているのは勧善懲悪で本作も同様に最後は勝利しているが、終わり方はシリーズらしからぬ意外なもので、続編に続くプロローグ的な幕切れだった。

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