グレゴリー・ケズナジャット「開墾地」を読んで

今週1/19選出される第168回芥川賞の候補である題記作を雑誌を通じて読んだ。 筆者はどうやら米国人のようで、内容は日本への留学生が一時帰国し父親と過ごす間に過去への回顧を交えて描いた家族の物語。父親は実父でなくイラン系の養父、母は離婚して家にはおらず、実家は母系が代々住んでいた家と複雑極まりない。上下段印刷ながら30数頁と短く、すぐ読み終えたが読み応えがあった。分かりやすい文章表現ながら心理描写が巧みで、さすが芥川賞候補の純文学を彷彿させる。外国人の若手がよくぞここまで書き上げたものだと感心するも、秀作として圧倒するような迫力は感じられなかったので、受賞は微妙と言ったところか。

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