本年1月の直木賞候補作で選には漏れたが本屋大賞受賞作だったのか、1月初めに図書館予約して待つこと5ヶ月だった。恋愛小説で、双方が交互に主人公として1人称描写する構成だ。前半はストーリ展開が遅く間延びしたトーンに馴染めず、何度も途中放棄しようかと思った。後半からは様相が変わり、現代社会の問題がいろいろと絡み合い面白くなった。離島と東京を舞台に、地域の閉鎖性、離婚、ヤングケアラー、引きこもり、歪んだ情報社会などが出てきて今風の恋愛小説なのか、不思議な感覚がした。女性作家ならではの心くばりや心理描写が巧みで、女性の自立が主テーマのようにも感じた。
Monthly photo – 2024.11
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