今般受賞した直木賞2作品のうちの一つ目を読んだ。と言っても発表からすでに3ヶ月近くになろうとしている。発表時に図書館予約して今週ようやく手にし、2日のうちに読み終えた。痛快時代劇のエンタメ小説で、時代小説ながら連作短編風の独特な構成で本の新たなスタイルを見た感がした。6つの章立てで、とある仇討ちを共有した6人の主人公がそれぞれの生い立ちを明かしながら述懐する様はバラエティに富んだ文体で読者を魅了させてくれる。単行本の帯には「ミステリーの驚きと人間ドラマの感動」とあり、仇討ちの背景にある謎解きのミステリーだけにとどまらず、奇想天外がストーリー展開や個々人の感情移入が何とも心地よい。内容が濃い割には薄手の本で、老若男女、誰でも楽しめそうな小説だ。これぞ直木賞受賞を彷彿させる作品だ。
Monthly photo – 2024.8
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