万城目学「八月の御所グラウンド」を読んで

今般の直木賞受賞作、2作品のうちの一つを読んだ。ページ数200ほどで、平易な文章は1日程度で読める。直木賞候補作を受賞発表前にまとめて図書館予約し、その1冊目をやっと借りられて読み終えた。本作になんで2作品が納められているのだろうと訝しながら読み終え、ふーん軽いタッチの中身だった、と感じた。そして読み終えた後にこれが受賞作だと知った。読んでる最中は選から漏れるなと思っていただけに拍子抜けした。ここ最近の受賞作は読み応えのある大作だっただけにその軽さが際立った。作風はなんだろう、2作に通じたものはファンタジーか、それとも実在した人物と相まみれるパラレルワールドか、発想の展開はさすが売れっ子作家だ。読んで、楽しく面白かったが、あまり感動や深い共感は覚えなかった。軽かった分、読後のさわやかな温かさが心に残った。

安曇野の風 について

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