木下昌輝「秘色の契り」を読んで

先般の直木賞候補作の1つである題記の本を読んだ。史実を絡ませた時代小説だ。時は江戸時代の中期で今年のNHK大河と同時期、徳島藩の藩政改革にまつわる痛快時代劇。藩の莫大な借財でいずれは崩壊する危機から脱却するべく、養子として新たに継いだ藩主と若手の改革派が藩政を牛耳て旧態依然と改めぬ5家老とのバトル。それに加えて徳島特産の藍を独占し餌食にする大阪の悪徳商人や血統を鼻にかける公家くずれの横暴などが絡んで、勧善懲悪が如くストーリ展開する。あまりの痛快さに中断することなく読み終えた。芥川賞候補とは違い、このエンタメ性が何とも言えず久方ぶりに楽しめた。

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