三沢陽一「なぜ、そのウィスキーが謎を招いたか」を読んで

3部作シリーズで読み残していた題記の本を読んだ。短編推理小説でいずれの作も4話からなる。1話づつ冒頭にカクテル紹介のレシピが添えられ、ストーリーはそれぞれが一つのウィスキー銘柄ごとにこだわった展開となっている。そして仙台市街地を背景とした物語が何とも個性豊かなシリーズ物として際立つ。バーでのお話なのに時間帯は夕刻前のまだ暗くならず、周りに他の客がいない設定となっている。そんな暮色の中で紡ぐ打ち明け話はカクテルバーの雰囲気そのものが醸し出されていて面白い。自分もウィスキー党だが、最近はあまり飲まなくなった。ビール、日本酒も似た感じに飲まず、もっぱらジン・ベースのドライマティーニを飲んでいる。その昔に空港の乗り継ぎでよく飲んで、ヤミつきになった。日本酒は嫌いではなく美味しく飲めるが、先日利き酒用の小瓶5本セットを頂いて飲み比べてみた。ところが、その固有差がまるで分からず、やはり日本酒党ではないことを痛感した。ウィスキーはどうだろう。利き酒セットは売ってないが、ウィスキーなら少しは自信がある。好みはシングルモルト系だが、バランタイン17年ものだったらブレンドの中でも大好きなひとつだ。何て発散しながら、読み終えた。

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