筆者は経済小説の大家で、この本は本人の幼年期のひと時を描いた自叙伝だ。この作家のファンであれば、目から鱗にして読むところだが、私にとっては初めての小説で、こんなものかと思った。両親が離婚して、孤児院で不遇な生活をした体験を綴っている。本人の努力で明るく振る舞い周りの人を惹きつけて温かく心が触れ合うのがこの本のキモのようだ。戦後間もない頃の貧困な時代により貧しい生活が強いられているが、とても健康的で何か遠い昔のノスタルジックな想いに駆られた。登場人物との触れ合いが生き生きと描かれる中で、主人公の賢さ、誠実さ、人懐こさが読者を惹きつける。が、自叙伝にしてはあまりに品行方正で出来過ぎくんに描いていて、著者本人は気恥ずかしくないのか、と思ってしまうのは私だけだろうか。
Monthly photo – 2024.11
アーカイブ
カテゴリー
-
最近の投稿
最近のコメント
- myCalendar2025、完成 に 安曇野の風 より
- myCalendar2025、完成 に 三浦の暇人 より
- 長芋の季節? に 安曇野の風 より
- 長芋の季節? に 小宮山務 より
- 底冷えの1日 に 安曇野の風 より
- 底冷えの1日 に 小宮山務 より
- ぶらり図書館へ に 安曇野の風 より
- ぶらり図書館へ に 小宮山務 より
- 岩岳登山、写真集 に 安曇野の風 より
- 岩岳登山、写真集 に 小宮山 務 より
メタ情報