ラ・カンパネラ(追伸)

昨日から引き続いての追記です。この動画を初めて再生した時を振り返ると、

1番目に登場したトップバッターにど肝を抜かれる。あまりに指の長いこと、私の1.5倍はあろうか、これなら1オクターブの連打など自由自在。ガリバー・小人の国ならぬ西洋の魔女がスタンウェイの箱をいとも簡単にかき鳴らして目に鱗だ。

2番目はよく知るランラン。超絶技巧曲も余裕サクサクで、左手などはオーバーアクションで観衆に媚を売るがごとく。作曲者リストを小バカにしているようにも思えてきた。

3番目はモノクロ映像となり、リストのそもそも原曲とはを説明するが如く古今問題を紐解く感じだ。リストご本人とは体形も違う感じだけど古を思い出させるような雰囲気だ。

4番目が韓国のショパン・コンクール優勝者。トップバッターと同じように背後にオーケストラを抱えていて、コンサートを終えた後のアンコール曲のようだ。最後の付け足し、そしてビッグイベントをやり終えた安堵感の直後に、超絶技巧曲で締めくくる凄さは立派。

5番目は若手のホープが淡々と弾く感じで、静謐さがあふれショパンの曲を聴くような感覚だ。爽やかなカンパネラに脱帽!

6番目は中国人初のショパン・コンクール優勝者、アジア人としても当時2人目。感情のこもった熱演がひしひしと伝わり、聴いていてゾクゾクする興奮を覚えた。熱情だけではなく静寂から爆発までの弾きこなし感が半端でなく、正にブラボー!

7番目は打って変わって冷静そのもの。正確さもピカイチで、これ以上ないクールなカンパネラだ。

8番目はカンパネラの大御所。独特の間合い、テンポは円熟の極地と言った感じ。カンパネラとはこうだよ、と諭すような弾き語りに引き込まれて酔いしれる余裕さえ与えてもらった感覚を彷徨えた。

9番目のラストは日本人の辻井氏。最後で最高に盛り上がるのではの期待が大きすぎて負の伝達となって萎んでしまったのは私だけだろうか。誘引したのはあまりに同じ曲を聴きすぎてきて飽和状態のToo muchか、はたまたなぜかこの動画だけ観衆のシーンに世界の要人が出てきて白けてしまった感がする。ご本人の演奏の素晴らしさが諸条件で損なわれた感じで残念

いやぁ〜同じ曲を通して聴くことの幸運、興奮、感激、そして疲労と何とも充実しきった時間でした。

安曇野の風 について

安曇野に巣くう極楽トンボ
カテゴリー: 音楽 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。