今回の芥川賞受賞作である掲題の小説を雑誌を通して読んだ。受賞発表の前に読了したが、充実した内容であり何となく受賞する予感がした。芥川賞の代名詞でもある純文学、をあまり感じずエンタメ系の直木賞候補のような感覚だった。サラリーマン社会と山、これも高山ではなく道なき道をゆくアウトロー登山がテーマになっている。会社関係は中小企業の下請けに甘んじ大手にへつらうサラリーマン悲哀が展開し、何となく池井戸ワールドの勧善懲悪の世界を彷彿させるような文脈にはまり込んだ。が、爽快なエンディングではなく業務ストレスのはけ口を山行に打ち込み、それを余暇と捉える主人公と生きがいとする先輩とのやり取りがメインテーマとなるストーリだ。受賞後の著者紹介で建設会社のサラリーマン生活と六甲山系をこよなく登り詰めた経験の持ち主であることを知り、文中の機微な描写に合点がいった。今までと違ったエンタメ系の芥川賞作品として味わえて、面白かった。
Monthly photo – 2024.11
アーカイブ
カテゴリー
-
最近の投稿
最近のコメント
- myCalendar2025、完成 に 安曇野の風 より
- myCalendar2025、完成 に 三浦の暇人 より
- 長芋の季節? に 安曇野の風 より
- 長芋の季節? に 小宮山務 より
- 底冷えの1日 に 安曇野の風 より
- 底冷えの1日 に 小宮山務 より
- ぶらり図書館へ に 安曇野の風 より
- ぶらり図書館へ に 小宮山務 より
- 岩岳登山、写真集 に 安曇野の風 より
- 岩岳登山、写真集 に 小宮山 務 より
メタ情報