吉田修一「国宝」を読んで

題記の本、今年映画化で話題にもなっており図書館予約して数ヶ月がたった。今だ借りられる状況にないため、家族用にとうちのオバはんが自費購入した。そして自分にも順番が廻ってきたので、この3日間で読み終えた。文庫本、上下巻の2冊でかなりのボリュームだ。一言で言うと、エンタメ小説だ。普通の小説と違って、文語体表現ではなくコミカルで独特の言い回しで書かれていて、まるで漫才を彷彿させる。これが、いろんな人物に焦点を当てて話が発散し長調にストーリが展開する。数ヶ月前に同じ作家の小説を読んだが、それも発散した物語だった。でも、長編を読み続けさせる面白みが随所にあって、飽きることなく読み終えた。ヤクザ、歌舞伎、芸能の世界がこれでもか、と差し迫り圧倒的な迫力を感じた。巻末にリストされた参考資料の数も半端なく、エンタメにして文献の世界を垣間見た観がした。さて、延長して映画を観るか否か迷うところだ。

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