羽田圭介「スクラップ・アンド・ビルド」を読んで

今しがた、掲題の本が今期の芥川賞を獲ったとのニュースに出くわした。今回、話題を巻いた又吉直樹の「火花」も同時受賞したので、これから又さわがしくなるだろう。掲題のものは月刊誌「文學界」3月号に掲載されたが、図書館のイベントでノミネート作品の陳列コーナーから借りて先週、読んだ。キャッチコピーに「超高齢化社会を抉る問題作」とあったが、160枚の短編を一気に読んで何の感慨も湧かなかった。新鮮さも純文学の研ぎ澄まされた文体もなく、これが賞を取るようなら文学界も終わりだと思ったが、正にそうなった報にガッカリした。又吉の方はまだ読んでいないが、いずれ入手して読もうと思っている。

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