題記の本は前々回の直木賞受賞作で、しばらくは図書館での予約が殺到していたが、ここに来て人気も翳りが出たか、ようやく予約不要で借りられた。頁当りの活字はスカスカだが、上下巻、約700頁はかなりのボリュームで、ただひたすら日記風に綴られた文を追っていくのに骨が折れた。6章の構成で、最終章にたどり着いて、やっと直木賞たる内容にありつけた感じだ。最後にして、延々と羅列されてきた日常の出来事が繋がって、筆者の力強いメッセージを感じとることができる。人それぞれの生き方で、何を信じてどう生きていけばいいのか、ある家族の終着点が肯定的にクローズし、読後の爽快さがちょっぴり味わえた。
Monthly photo – 2024.11
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