澤田瞳子の最新作を読んだ。新作とは言ってもここ2年間、雑誌に投稿した短編を寄せ集めたものだ。筆者は私にとっては3作品目で、今までの2作は直木賞候補作の長編だった。直木賞候補の作家だけあって、筆力は確かなもので読みやすさの中にもどっしりとした芯のある書きぶりを感じた。今回の短編も時代小説で、能楽からインスパイアされたと言う8作品全てが、深く哀しいストーリーとなっている。作品のほとんどのエンディングは悲劇の終結までを描かずに終わっていて、読者に連想させる余韻を残した感じだ。読後の充実感や爽やかさがなかったのは前回読んだ長編と同じようで、この作家の持つスタイルなのかも知れない。
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