昨日の夕焼けは何のその、今日の安曇野は日照時間が1時間ほどの曇天でした。ところで、今回も大雨で全国的に大きな災害をもたらしました。そこで、長野県の松本市、長野市の過去の気象データから降水に関するトップ10を調べてみました。気象庁のデータでは松本市が1898年1月から長野市は1889年1月からの観測データがあります。そこで、1900年から2020年7月までおよそ120年間のデータをダウンロードしてみました。それぞれ、Excelシートにすると44,000行あまり、ダウンロードには計15分ほどかかりました。このデータをもとに両市の1日当たりの降水量と最大1時間降水量の多い順にトップ10を示したのが、以下の表です。
拡大してご覧になってください。松本と長野では1日の最大降水量はそれぞれ、155.9mm、132.0mmで、1時間の最大降水量は59.0mm、63.0mmでした。最大値は意外に大きくなく、よく耳にする1日の最大降水量が何百mm、最大1時間降水量100mm以上と言うのが如何に大きいことか、その凄さを推し量るばかりです。尚、長野市の過去最大の1日降水量があったのは昨年の台風19号が来襲した日でした。不思議と被害のあった長野市よりも松本市の方が降水量が多くなっていました。また、最大1時間降水量の観測開始は松本市が1936年1月、長野市は1926年4月からでした。過去の事例を調べるのも面白いもので、今ハマっているPythonのデータ分析ならではでした。









ミステリー作家で注目を浴びる米澤穂信の最新作を読んだ。無人化した僻地の再生としてIターン事業に取り組む市職員の活動劇で、いろいろと楽しめた。構成を調べると、7章立ての内の4つが以前の雑誌投稿からであり、残りを書き下ろしで単行本化している。初出は2010年なので10年にも及ぼうとしているが、登場人物やストーリーは一貫した流れがある。とてもミステリーとは思えない若手、中堅の漫談コンビとズボラ上司の掛け合いはコメディタッチで軽快だ。ネタバレになるのでこれ以上の感想は控えるが、悲喜こもごも最終章の纏めまで一気読みする魔力に富んだ1冊だった。
横山秀夫と言えば推理作家で「半落ち」や「64」の映画化でも有名だ。「64」から6年ぶりの新作であると言う題記の本を読んだ。と言っても発刊は昨年初めで、2004年から2006年に「旅」と題して雑誌掲載したものを大幅改定して単行本化したようだ。どおりでのっけからPHSなどの古びた用語が出てきた。およそ半年ほど予約待ち後に借用し、ここ数日で読み終えた。作風は予期していたミステリーではなく社会派的な人間ドラマだった。失踪事件から始まり、いつになったら刑事事件に進展するのかと思いあぐんでいる内にストーリが別展開し、後半は予想外の社会派ドラマとして怒涛の如く終結に至る流れだ。最後の建築設計事務所のコンペ争奪戦のくだりはまるで弱者が勝ち組に挑戦する正義派「池井戸潤ドラマ」を彷彿させるようだった。とても充実した本に久方ぶりに出会った思いがする。実在人物が数名登場する中で、巨匠建築家「ブルーノ・タウト」に関係して井上房一郎の名を見出した時は思わず、懐かしさがこみ上げた。この人物、私の出身高校で当時の同窓会長だった。








